(English) We tell you how it started

二人の友。二つの世界。素晴らしいひととき。

異なった世界、異なった文化に育った二人の友が、メキシコのオアハカでの旅で、メスカルと出会いを果たす。

メキシコ人の親友アビマエルが日本に来ることになった。

彼とは2013年にメキシコシティで出会って以来、毎日のように一緒に過ごした仲だった。その関係は僕が日本に帰国するまで続いた。

とある年の11月、死者の日を祝うためにアビマエルの生まれ故郷であるオアハカに二人で旅をした。彼の実家に行き、ご両親それに親戚と一緒に夜を過ごした。(彼は五人兄弟の末っ子だったので、結構な人数が集まっていた。)

その時、無造作に食卓に出されたのがメスカルだった。
僕はその味の虜になった。それからアビマエルの家に遊びに行くたびにメスカルを二人で飲んだ。あまりに強いお酒だったので泥酔してしまうこともあったけど、僕らは二人で多くのとても楽しいときを過ごした。

彼が日本に来ることになったとき、そんなメキシコで過ごした日々が走馬灯のように浮かんだ。

特に強烈な思い出となったのが、メキシコで過ごす最後の夜での出来事だ。
その夜、僕は当然のようにアビマエルと二人でメキシコシティにあるバーにいた。いつものように僕たちは二人で楽しいお酒を交わしながら、一緒に過ごした素晴らしい日々について語り合った。そして、僕たちがバーを去る間際、彼は僕にこう訊いた。

「君にとってメキシコで過ごしたこの2年間はどういう意味があったんだい?」

即答できなかった・・・・今でもその時どのように答えたらよかったのかと思い巡らす時がある。

日本では全くと言っていいほど知名度のないメスカル、このブエンスセソを僕は売ってみることにした。なんのコネもないし、輸入販売の経験もない。でも、僕は誰かと共有したかった、メキシコで過ごした数々の素晴らしい思い出を。

メスカルを売ること自体にはきっと大した意味はないのかもしれない。でも、きっとブエンスセソを通じて再びメキシコと繋がることにより、僕が過ごしたメキシコでの日々は無駄にはならないはずだ。

素晴らしいお酒、素晴らしい友、素晴らしい思い出、それらをみなさんと共有できたらと思っている。

ワンズワード・メスカル
代表 松岡 祐紀

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